社内チャット・メッセージングアプリ、業務プロセス管理ツール、経理・会計SaaSなど、企業や事業者の複数端末で使用される「業務用アプリ」を提供する事業者が急増しています。
ですが、個人向けサービス(B2C)や一般Webサイトの利用規約をそのまま流用していませんか?
業務用アプリは、スマホアプリだけでなく、総務部や経理部のPC上で動作するマスターソフト(デスクトップアプリ)のインストール利用や端末レンタル運用、さらにはサブスク・従量課金・端末料金上乗せなどの多様なマネタイズモデルが存在します。
1つの契約のもとに「契約法人(顧客企業)」と「実際に利用する従業員(エンドユーザー)」という二層構造が存在し、機密情報の漏洩、システム障害による業務停止リスク、代金未払いトラブルなど、B2Cとは全く異なる高度なリスクを抱えています。
本記事では、IT・アプリ法務を専門とする行政書士が、業務用アプリ特有のリスク構造と、マネタイズモデル・機能・運用形態別の必須条文を徹底解説します。
- 業務用(B2B)アプリに潜むリスク|一般向け(B2C)規約では守りきれない理由
- 業務用アプリの利用規約で押さえるべき「4つの最重要ポイント」
- 【全業務用アプリ共通】絶対に外せない「基本手続」の必須条文・注意点
- 【マネタイズモデル別】契約者(企業)側の契約条件と必須条文
- 【インストール型・マスターソフト・端末レンタル型】特有の利用リスクと解決策
- 【アプリ種別編】機能・用途別の注意点と必須条文
- 【重要】チャット・従業員間メッセージ機能を実装する場合の「電気通信事業法」届出義務と代行
- 【海外拠点・グローバル対応】英文利用規約の必要性と注意点
- よくある質問(FAQ)|BtoB向け利用規約作成の注意点
- 業務用アプリの利用規約作成は「IT法務専門の行政書士」にお任せください
業務用(B2B)アプリに潜むリスク|一般向け(B2C)規約では守りきれない理由
企業や事業者が業務で利用するアプリ(B2B型アプリ・SaaS)を運用する際、最も大きな落とし穴となるのが「一般消費者向け(B2C)サービス」と「業務用(B2B)サービス」のリスク構造の根本的な違いです。B2C向けの規約を流用すると、トラブル発生時に事業者側を保護できないばかりか、予期せぬ賠償請求に晒される危険があります。
| 比較項目 | 一般消費者向け(B2C)アプリ | 業務用(B2B)アプリ |
|---|---|---|
| 利用者と契約構造 | 利用ユーザー = 契約者(個人) | 契約主体(企業/事業者)と 実際のエンドユーザー(従業員)が分離 |
| 取扱データの性質 | 個人の趣向、購入履歴、個人情報 | 企業の機密情報、顧客データ、売上・財務データ、業務ノウハウ |
| 障害発生時の影響 | 個人の利便性低下、一時的な不満 | 企業の全業務停止、売上機会の損失、重大な第三者損害 |
| 規制法令の性質 | 消費者契約法(強い消費者保護) | 商法・民法(事業者間取引・契約自由の原則が適用) |
B2B取引においては「消費者契約法」のような顧客保護規定が適用されないため、**事前の利用規約によって双方の責任範囲や損害賠償限界をかなり自由に設計(契約自由の原則)**できます。逆に言えば、規約に適切な制限を書いておかなければ、システム障害時に何千万円もの営業損害を請求されるリスクが生じます。
WebブラウザベースのBtoBサービスにおけるSLA設計や免責条項のポイントは、業務用WEBサービス・BtoB SaaS向け利用規約作成の注意点で詳しく解説しています。
業務用アプリの利用規約で押さえるべき「4つの最重要ポイント」
企業の複数端末で使用されるアプリの利用規約を作成する際、リスク管理上絶対に外せないのが以下の4点です。
① 契約主体(法人)と実際の使用者(従業員)の分離と連帯責任
アプリの契約自体は「企業(法人)」と結びますが、実際に端末を操作するのは「従業員(エンドユーザー)」です。規約内において、**「契約企業は、自社の従業員等に本規約を遵守させる義務を負い、従業員の行為について一切の連帯責任を負う」**旨を明記し、退職者のアカウント放置や従業員の不正使用による情報漏洩を防ぐ責任を顧客企業側に課します。
② 送信データの所有権とベンダー側(提供者)の利用権限
チャット履歴や経理データ、業務ログなどの所有権・著作権は原則として顧客企業に帰属することを明記して安心感を提供します。その上で、**「保守・バックアップ」「統計データ化(個人・法人を特定できない形での集計)」「サービス改善・AI学習等への利用」などの目的のために、提供者側がデータを無償利用できる許諾条項**を忘れずに盛り込みます。
③ SLA(サービス水準)と不可抗力・損害賠償の制限(キャップ設定)
通信障害やサーバーダウンが発生した際、企業の業務停止に対する直接損害・間接損害(逸失利益)の請求を防ぐ規定です。「不可抗力による免責」を規定するとともに、万が一提供者側に賠償責任が発生する場合でも、**「損害賠償の上限額を、過去〇か月間に受領した利用料金の額とする」といった責任上限(キャップ)**を必ず設けます。
④ 複数端末・マルチアカウント管理義務の課与
スマートフォン、タブレット、PCなど複数の端末で同時利用されることが多いため、ID/パスワードの流出防止義務や、管理者アカウントによるアクセス権限の適切な管理義務を企業側に課すことが重要です。
【全業務用アプリ共通】絶対に外せない「基本手続」の必須条文・注意点
どのような業務用アプリであっても、契約の有効性や運用の安定性を保つために必ず組み込むべき基本手続条項が**「規約への同意」「規約の変更」**および**「サービスの停止・中断・終了」**の3点です。特にB2Bアプリ特有の「二層構造」を考慮した設計が必要です。
① 利用規約への同意(Web規約形式と書面契約書形式の選択肢)
業務用アプリでは、サービス運用形態に応じて「Web上での利用規約同意」と「書面での直接契約締結」の双方に対応できる柔軟な設計が求められます。
- Web申し込み・規約同意形式: 管理者がWeb上で登録手続きを行う際、「利用規約に同意する」チェックボックス等を介して成立させます。
- 「書面(または電子署名)による契約書」形式: 顧客企業との個別交渉や大口取引を行う場合、サービス提供者と契約者との間で**「業務利用契約書」や「ライセンス許諾契約書」として書面契約形式で締結・作成することも十分対応可能**です。この場合、契約書本文に「詳細な運用ルールは利用規約に準拠する」と記載するか、基本契約書内にすべての条項を集約する設計を行います。
- エンドユーザー(従業員)側のアプリ利用時: アプリの初回ログイン時に「従業員用エンドユーザー利用規約(EULA)」等への同意画面を挟み、業務利用であっても個人の不正行為(リバースエンジニアリングや私的利用など)を直接禁止・拘束する設計にします。
② 利用規約の変更(民法第548条の4対応と二層構造時の周知)
クラウド型SaaSやアプリは機能追加や法改正等に伴い規約改定が不可欠です。民法第548条の4(定型約款の変更)に則り、効力発生時期と変更内容を事前周知することで、個別同意なしに改定できる規定を設置します。
※企業(契約者)と従業員で別の規約がある場合、「企業向け利用約款」の改定は契約者管理画面やメール等で管理者へ通知し、「従業員用規約」の改定はアプリ内ポップアップ等で直接通知・再同意を行わせるといった、それぞれの層に応じた適切な通知・周知プロセスを定めておくことが実務上非常に重要です。
③ サービスの停止・中断・終了に関する条項(障害・メンテナンス時)
定期・緊急システムメンテナンス、クラウドサーバーの障害、または事業撤退・サービス終了時の手続き規定です。「事前告知(緊急時は事後速やか)による一時停止の許容」や「サービス終了時の事前通知期間(例:〇ヶ月前予告)」を明記し、これによって生じた企業の業務停滞損害について、提供者側が原則として免責される旨を規定します。
【その他】業務用アプリに必須の基本権利・リスク管理条項
- 利用資格・対象: 法人または事業者のみを対象とし、一般消費者の個人利用を排除する旨。
- 秘密保持条項(Confidentiality): 双方、サービス提供を通じて知り得た相手方の非公開情報を第三者に開示・漏洩しない義務。
- 禁止事項: リバースエンジニアリング、不正アクセス、IDの第三者共有、競合サービス開発目的の利用禁止。
- 契約解除・アカウント凍結: 利用料金の支払遅延、規約違反、反社会的勢力との関与、破産等の信用不安が生じた場合の即時解除規定。
【マネタイズモデル別】契約者(企業)側の契約条件と必須条文
業務用アプリの収益モデル(マネタイズ構造)によって、発生しやすいトラブルや代金回収リスクは大きく異なります。自社アプリが採用する課金モデルに合わせた**「契約条件の定め方」**が不可欠です。
① 定額サブスクモデル(月額・年額払い)
毎月または毎年一定の金額を支払う標準的なモデルです。年額一括払いの途中解約トラブルや、自動更新をめぐるトラブルが頻発します。
- 自動更新規定: 「契約満了日の〇日前までに申し出がない場合、自動的に同条件で1年間更新される」旨の明確な明記。
- 中途解約と返金不可原則: 契約期間中の途中解約を原則禁止とするか、途中で利用を停止した場合でも既払いの利用料金は一切返金しない旨の規定。
- 未了期間分の即時一括請求: 年額契約(または最低利用期間内)で途中解約・強制解除となった場合、残期間分を一括で違約金として請求できる規定。
② 従量課金モデル(利用量・API呼び出し数・処理データ量等)
データ送信量、APIリクエスト回数、作成書類の通数などに応じて料金が変動するモデルです。利用量の確定方法や想定外的高額請求に対する異議申立てリスクがあります。
- 利用量の算定基準とログ優先: 利用量の計算基準(ベンダー側のシステムログ・集計データを正とする旨)を明記し、企業側の計算との差異による揉め事を防ぐ規定。
- 課金限度額(キャップ)や通知の設定: 設定ミス等でシステムが無制限稼働した場合でもログに基づく利用料が発生する旨、および支払義務が生じることの明記。
③ 初期費用 + 月額 + オプション機能モデル
導入時のセットアップ費用(初期費用)を徴収し、基本機能+追加オプション機能で構成するモデルです。初期設定段階での契約解除や機能追加・削除に伴う精算トラブルを防ぐ必要があります。
- 初期費用の不還付条項: 初期構築・設定作業着手後は、納品前や運用開始前であっても初期費用が理由を問わず返金不可である旨。
- オプション機能の個別解約条件: オプションのみの追加・解約手続のルール(〇日前申請、変更適用時期等)の整備。
④ アカウント数・ライセンス数(シート課金)連動モデル
1ユーザー・1ID(1シート)ごとの月額単価を設定し、発行アカウント数やシート数に応じて請求額が変わるモデルです。アカウントの使い回し(回し使い)や変更申告漏れのリスクがあります。
- ID・アカウント(シート)共有の厳禁: 1つのIDやシートを複数人の従業員で共有・回し使いすることを明確に禁止し、発覚した場合は過去に遡って追加ライセンス(シート)料金+ペナルティを請求できる規定。
- ライセンス(シート数)変更時期: 月途中でのアカウント・シート増減時における日割り計算の有無(原則として「日割り計算を行わず、月単位で課金」とするのが一般的)。
⑤ 端末レンタル・リース料上乗せモデル
アプリのソフトウェア月額利用料に加えて、専用スマートフォン、タブレット、車載用端末などのハードウェア機器の「レンタル・リース代金」を上乗せして一括請求するモデルです。ハード(機器)とソフト(サービス)が一体となるため、解約時の未払いや返却をめぐるトラブルへの対策が必要です。
- 内訳明記と請求の一体性: アプリ利用料と端末レンタル料の支払期日を一元化し、「アプリ利用のみ解約して端末のみ保持する」等の勝手な分離を禁止する規定。
- 解約時の機器即時返還義務と遅延損害金: サービス解約時には指定期日までに端末を返送する義務、および返還が遅延した場合の損害金(月額レンタル料相当+違約金)の請求規定。
- 端末未返還時の機器相当額一括請求: 返還に応じない場合や紛失・破損時には、端末の残存価値(または定価相当額)を弁償金として即時請求できる旨。
BtoBアプリ・SaaSの課金モデルや二層構造に完全対応した利用規約を作成いたします。
【インストール型・マスターソフト・端末レンタル型】特有の利用リスクと解決策
Webブラウザ上で完結するSaaSだけでなく、**「スマートフォンアプリ+総務部や経理部のPC上で動作するマスターソフト(管理者用デスクトップアプリ)を組み合わせて提供する場合」**や、**「アプリプリインストール済みのスマホ・タブレット等の端末をレンタル提供する場合」**など、ローカル環境にソフトウェアを配置する運用では特有のリスクと法的な解決策が存在します。
① 総務・経理部等のPCへマスターソフトをインストールして使用する場合
現場の従業員はスマホアプリで入力し、総務部・経理部・管理部門のPCに導入した「マスターソフト」で一括データ管理や決算・承認処理を行うシステム構成は非常に一般的です。この場合、プログラムが顧客のローカルPC上に存在するため、以下の注意点と解決策(規約条文)が必要です。
💻 PC用マスターソフト提供時の注意点と解決策
- 注意点:ローカルPC環境の多様性と動作不具合リスク
顧客企業のPCスペック、OSのバージョン更新、導入されているウイルス対策ソフトとの競合などにより、マスターソフトが正常に起動しない・動作が重くなるといったクレームが発生しやすくなります。
👉 解決策: 規約内に「動作保証環境(推奨OS・スペック等)」を明確に定め、指定環境外での不具合や、他社ソフトウェアとの競合に起因する障害については提供側が免責される旨を規定します。 - 注意点:ローカル保存データの紛失・破損責任
PCローカル内に保存・出力されたマスターデータや会計帳簿データが、端末の故障や操作ミスで消失した場合、データの復元請求や営業損害の賠償を求められるリスクがあります。
👉 解決策: クラウド同期を行わないローカルデータについての完全なバックアップ義務は顧客企業側が負うものとし、データの破損・消失による損害について提供側は一切責任を負わない旨を規定します。 - 注意点:不正複製・逆解析(リバースエンジニアリング)リスク
マスターソフトのプログラムファイル自体が顧客の手元にあるため、契約台数を超えて別のPCへ複製導入されたり、プログラムの解析・改変・競合サービスの開発に悪用される恐れがあります。
👉 解決策: ライセンスの許諾範囲(同時起動台数・インストール可能PC数)を限定するとともに、逆コンパイル・逆アセンブル等の解析行為や無断複製・転貸を厳禁とし、違反時には違約金+即時ライセンス失効となる強力な条項を設けます。
② アプリ導入済み端末をレンタル・リースして貸与する場合
タクシーの車載端末や、建設現場・飲食店・イベント会場などでアプリをプリインストールしたスマートフォンやタブレット機器をセットでレンタル(リース)提供するビジネスモデルです。ハードウェアとソフトウェアが一体となるため、トラブル時の責任範囲を極めて明確にする必要があります。
⚠️ 端末レンタル・リース併用時の「4大必須条文」
- 転貸・再レンタルの禁止(目的外利用の制限): 貸与した端末を第三者へ再レンタルしたり、目的外の私的使用、他社アプリの勝手な追加インストールを禁止する規定。
- 端末の紛失・盗難・破損時の賠償責任: 紛失や盗難、破損が発生した場合の端末弁償金(実費・固定額)および、盗難端末からの情報漏洩・不正利用によって生じた損害は契約企業側が全額負担する旨。
- 返却時のデータ消去・初期化義務: 解約時や期間満了時の端末返却に際し、顧客企業が責任をもって自社の登録データ等を消去・初期化して返還すべき旨(返還後のデータ流出に対する免責)。
- ハードウェア故障時の責任切り分け: 端末自体の物理的故障によるアプリ停止の場合、端末の代替品交換等の保守範囲を定めつつ、それに伴う企業の営業損失については提供側が免責される旨。
【アプリ種別編】機能・用途別の注意点と必須条文
アプリの具体的な役割や業務分野ごとに、追加すべき固有の注意点と必須条文があります。
① 社内メッセージング・ビジネスチャットアプリ
従業員同士の連絡やファイル共有を行うコミュニケーションツールです。
- 通信の秘密とモニタリング: 法令や規約に違反する疑いがある場合やセキュリティ上の理由がある場合、運営側または顧客企業の管理者がログを確認できる権限の明記。
- ファイル送信とセキュリティ責任: 送信されたファイル(マルウェア等)により生じた損害の免責や、添付ファイル容量・保存期間の制限。
② 業務管理・勤怠管理・タスク管理アプリ
シフト管理、日報、作業進捗、勤怠入力など業務の中核を担うアプリです。
- 法的保存義務との分離: 労働基準法等で義務付けられている帳簿・記録の保存について、本アプリのバックアップ機能だけに頼らず、顧客企業自身の責任で保存管理を行うべき旨の規定。
- データ消去方針: 解約・退会後に提供側サーバーに残留するデータの消去タイミングや復元不可に関する条件。
③ 経理・会計・請求書発行アプリ
売上データ、取引先情報、帳簿、電子請求書などを扱うアプリです。
- 税法・インボイス制度等の法令適合: 税務申告や電子帳簿保存法等の法令適合性について、最終的な確認責任は顧客企業(または顧問税理士)にある旨の免責。
- 正確性の免責: アプリによる自動計算結果や仕訳提案結果について、過誤が生じた場合でも税務上の追徴課税等の責任を負わない旨。
④ 社用車管理・アルコールチェック・車両運行管理アプリ
社用車に取り付けた車載端末(OBD-II、シガーソケット端末、ドラレコ等)やスマホから取得したGPS・走行ログデータを解析し、危険運転検知、エコドライブ(燃費)分析、運転日報やアルコール検知結果を一元管理・分析するアプリです。
- 安全運転管理者等の法定義務(道路交通法等)履行責任の主体: 白ナンバー事業者のアルコールチェック義務化や安全運転管理義務に伴い、本アプリの記録・分析機能を利用している場合であっても、法令上の確認・指図・記録保存を履行する最終的な法的責任は顧客企業(および安全運転管理者)自身にあり、アプリ提供者は法令違反や事故発生等に対する責任を一切負わない旨の免責。
- 車載端末のGPS・走行ログ取得と従業員同意の表明保証: 車載端末やアプリから取得される位置情報(GPS)、急加速・急ブレーキ等の走行挙動データについて、顧客企業が事前に運転者(従業員等)から適切な取得・収集の同意を得ていることを保証させる規定、および運転データの漏洩・目的外利用の防止義務。
- 危険運転・燃費運転分析の参考値性(非保証): アプリによる危険運転アラート、エコドライブ診断、燃費計算等の分析結果はあくまでデータに基づく参考指標・統計的予測であり、事故の完全回避や燃費向上結果、あるいは労務評価の妥当性を何ら保証するものではない旨の免責規定。
⑤ タクシー手配・移動配車・配送管理アプリ
配車予約やドライバー手配、移動コストの一括精算を行うアプリです。
- 配車確約の不可: 悪天候、交通渋滞、ドライバー不足等により配車が成立しなかった場合における二次的損害(飛行機や会議への遅刻等)の完全免責。
- キャンセル料および請求範囲: 乗車キャンセル時のペナルティ料金や、従業員が私的利用した場合でも企業口座へ一括請求される旨の精算規定。
【重要】チャット・従業員間メッセージ機能を実装する場合の「電気通信事業法」届出義務と代行
サービス内にチャットやダイレクトメッセージ機能を盛り込む場合、利用規約の整備とあわせて「電気通信事業法」上の行政手続きを適切に行う必要があります。
⚠️ 従業員間・店舗間チャット機能でも「届出義務」が発生します
一般のCtoC・BtoBマッチングアプリはもちろんのこと、「登録企業と求職者」「店舗と顧客」、さらには「業務委託者と作業者」や「従業員(スタッフ)間」でチャット・ダイレクトメッセージを行える機能を盛り込む場合であっても、不特定または多数の他人の通信を媒介するものとして電気通信事業法上の「届出義務(電気通信事業の届出)」が生じるケースが非常に多くなります。
- ユーザー同士の1対1のダイレクトメッセージ(DM)機能
- 店舗管理者と従業員(スタッフ)間、または従業員同士の業務連絡チャット機能
- 特定グループ・チーム内における会員専用の掲示板・チャット機能
電気通信事業の届出を行わずにアプリの運用や課金を行った場合、行政指導や罰則の対象となるリスクがあるだけでなく、App Store/Google Playのストア審査や決済代行会社の加盟店審査で「電気通信事業届出の受付番号(届出用通知書)」の提出を求められ、審査でリジェクト(拒絶)される事例が多発しています。
当事務所による「電気通信事業の届出代行」について(※別料金・オプション対応)
当事務所では、利用規約作成(基本料金50,000円・税別)とは別料金(オプション業務)にて、総務省(総合通信局)への「電気通信事業の届出代行手続き」を承っております。IT法務専門の行政書士が貴社サービスのシステム構成やメッセージ機能の仕様を正確にヒアリングし、スムーズな届出完了とストア審査通過をサポートいたします。
【海外拠点・グローバル対応】英文利用規約の必要性と注意点
顧客企業が海外現地法人や外国籍の従業員、海外パートナー企業と連携してアプリを使用する場合、日本語の規約だけでは法的効力が及ばないリスクがあります。
🌐 グローバル・多国籍利用における重要ポイント
① 英文利用規約(Terms of Service)の準備
海外拠点のユーザーや外国籍スタッフが利用する場合、国際的な契約慣行(SaaS Terms of Service)に準拠した英文規約を用意する必要があります。
② 「準拠法(Governing Law)」と「管轄裁判所(Jurisdiction)」
国境を越えたトラブルに備え、「本規約は日本法に準拠し、東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする」等の条項を確実に組み込みます。
③ 正本(優先言語)規定(Prevailing Language)
「日本語版と他言語版の解釈に相違がある場合は、日本語版を優先する」旨を記載し、誤訳リスクを回避します。
※当事務所では、日本語版の業務用アプリ利用規約作成に加え、海外展開・多国籍利用に対応するための「英文利用規約の作成・翻訳サポート」も承っております。サービス規模や対応国に合わせて【別途お見積り】いたしますので、お気軽にご相談ください。
よくある質問(FAQ)|BtoB向け利用規約作成の注意点
Q1 一般消費者向け(B2C)の利用規約やWeb上の雛形を業務用(BtoB)アプリに流用しても問題ありませんか?
大変危険なため、まったくお勧めしません。
B2C向け規約は消費者契約法に基づく個人保護が前提となっていますが、BtoBアプリでは「契約企業」と「実際の操作者(従業員)」の二層構造が存在します。また、システム障害時の膨大な営業損失請求を防ぐ「損害賠償額の上限(キャップ)設定」や、企業データの二次利用権限、端末管理義務など、事業者間取引(BtoB)特有の重要条文が欠落しているため、万が一の事故の際に自社を防衛できなくなります。
Q2 生成AIを使って業務用アプリの利用規約を出力し、そのまま使用しても問題ありませんか?
そのまま実務に使用することはまったくお勧めしません。専門家へ作成依頼されることを推奨します。
ChatGPTなどの生成AIは一見整った文章を出力しますが、最新の法改正(民法・電気通信事業法等)への完全追従や、貴社アプリ独自の「二層構造リスク」「マネタイズモデル(サブスク・従量制・端末セット等)」「PCマスターソフトのライセンス範囲」などを整合性をもって網羅することは不可能です。不正確な条項や矛盾した規定が残ったまま運用すると、万が一の法的トラブル時に契約自体が無効となったり、多額の賠償責任を負うリスクがあるため、IT法務専門の行政書士等の専門家へオーダーメイド作成を依頼することをお勧めいたします。
Q3 顧客企業と書面で「個別契約書」を締結する場合、Web上の利用規約との優先順位はどうなりますか?
契約書および利用規約の双方向に「優先関係条項」を定めておくことで解決できます。
一般的には「個別契約書(書面)の定めが利用規約(Web)に優先して適用される」と規定するのが実務上の標準です。個別契約書には料金や契約期間などの固有条件を記載し、全社共通の基本ルールや免責規定を利用規約側に集約させることで、柔軟かつ強固な契約構造を構築できます。当事務所では、Web利用規約だけでなく、書面形式の業務利用契約書の作成にも対応しております。
Q4 業務用アプリ利用規約の作成費用と、追加料金が発生する条件について教えてください。
個人事業者等も対象とする簡易な仕様は30,000円〜(税込33,000円〜)、完全法人限定(B2B専用・高度な仕様)は50,000円〜(税込55,000円〜)にて承っております。
事前に料金モデル(サブスク・従量制・端末セット等)やアプリの機能ヒアリングを行い、追加費用の発生しない明確なお見積もりを提示いたします。また、**納品後1ヶ月間は規約の微修正対応も無料サポート範囲内**で対応いたします。(※海外拠点向け英文規約の作成・翻訳を行う場合のみ、別途お見積りとなります。)
Q5 相談から初稿の納品までどれくらいの日数がかかりますか?地方からの依頼も可能ですか?
ヒアリング完了後、通常3〜5営業日程度で初稿(ドラフト)をご提出いたします。
事前のお打ち合わせからヒアリング、作成・納品・修正対応まで、すべてメール・Web会議等のオンラインで完結するため、全国どこからでもご依頼いただけます。納品後の修正サポート期間(1ヶ月)もございますので、アプリのリリース日程に合わせて安心してご相談いただけます。
業務用アプリの利用規約作成は「IT法務専門の行政書士」にお任せください
業務用アプリ・B2B SaaSの利用規約は、インターネット上の雛形や他社サイトの規約をコピーして作成すると、万が一のシステム不具合やデータトラブル発生時に自社を防御できなくなります。自社の提供システム、課金体系(マネタイズ構造)、ユーザー管理構造に合わせた完全オーダーメイドの規約設計が必須です。
当事務所では、IT法務専門の行政書士が、貴社の業務用アプリ・B2Bサービスに最適な利用規約およびプライバシーポリシーを迅速に作成いたします。
全国対応!業務用アプリ・B2B利用規約作成サービス
30,000円〜(税別) (税込 33,000円〜)
50,000円〜(税別) (税込 55,000円〜)
※サービス内容・通信要件に応じて別途お見積もりいたします。
※機能、マネタイズ構造、端末貸与・インストール形態、SLA等の仕様ヒアリング後に別途明確なお見積もりを提示いたします。
- ✓ IT法務専門行政書士が対応
- ✓ 完全オーダーメイド作成
- ✓ オンライン完結(全国対応)
- ✓ データ権利・責任限定を徹底ガード
- ✓ 電気通信事業者届出も対応
- ✓ 納品後の修正アフターサポート付き
「自社のマネタイズモデルに合わせた規約を新規作成したい」「書面形式の契約書も一緒に作成したい」「既存の法人向け規約のリスク診断をしてほしい」など、
スタートアップ企業様から中小企業・大手Webサービス事業者様まで、お気軽にご相談ください。

