ポイント制導入サイトの規約の特徴

 旧ネットショップ利用規約作成室の利用規約書き方講座で投稿はされていたものの、どこからもリンクされていなかった記事です。
 いまさらですが何かの参考になればと思い再投稿しました。

多種多様なサービス形態

  ひとくちにポイント制を導入したWEBサイトといっても,そのサービスは千差万別です。 たとえば商品を購入した際に購入額に応じたポイントを付与し,そのポイントを次回購入時の値引きに使用できるタイプのポイント制を導入しているWEBサイト,事前に購入したポイントを使用することで自サイトのサービス を利用できるWEBサイト・・・と例をあげるとキリがないというくらいに多種多様なポイント制WEBサイトが存在しているのです。

 しかも,たとえばサイトで予約した宿に宿泊するごとにポイントが貯まり,そのポイントを次の宿の割引に使えるという仕組みの「楽天トラベル」と「じゃらん.net」のポイントサービスでは一回で使用できるポイント数や有効期限などさまざまな違いがあるように,同じポイントと商品購入との連動を行っているWEBサイトでも,そのポイントの換金率や一回の使用割合,有効期限などの点でそれぞれ特徴があり,まったく同じポイント制を導入しているWEBサイトを探すことは困難なのではないでしょうか。

「事前購入ポイント」と「おまけポイント」

 ポイント制は大きく分けると「事前購入ポイント」と「おまけポイント」に分類されます。

 事前購入ポイントは、サイト内でのみ有効な(サイト外で有効な場合もあるかと思いますが)ポイントをユーザーに事前に購入させ、そのポイントを消費することで、サイト内のサービスを利用させるという形態のことです。
 
 オンライン英会話サイトや、口コミ版サイトなどで多いシステムだと思います。
 また、セブンイレブン系列の「nanaco」やイオン系列の「WAON」などの「電子マネー」のような形態もこの「事前購入ポイント」のひとつの形態ということがいえます。

 「おまけポイント」は、おなじくサイト内でのみ有効なポイントをサイト内のサービスを利用してもらった「おまけ」やプレゼントとして付与するタイプのポイント制です。 ネットショップやオンラインモールなどで多い形態だといえます。

 事前購入ポイント制を導入する場合の注意

 事前購入ポイント制を導入する場合には、いくつか留意しなければならないことがあります。 その中でもっとも重要なものは、事前購入ポイント制を導入する場合には、条件を満たすと、役所に届出または登録しなければならないということでしょう。

 この「事前購入ポイント」というのは法律用語では「前払式支払手段」といいます。 「電子マネー」や「ギフト券」などもこの「前払式支払手段」に該当します。 この「前払式支払手段」というシステムを導入する場合、「資金決済に関する法律」別名「資金決済法」という法律で規制を受ける可能性があります。

 自社サイトでのみ有効なポイントを購入してもらうような場合には、「前払式支払手段自家型発行者届出」という届出をしなければならない可能性があります。
 また、電子マネーなど他社サイトでも使用できるポイント制を発行する場合には、「前払式支払手段第三者型発行者登録」という登録をしなければなりません。

 事前購入型のポイント制を導入をご検討中の場合は「資金決済法」という法律という法律の制約を受ける可能性があることを心にとめておく必要があります。

ポイントの定義

 そのようなポイント制WEBサイトでもっとも重要な規約の内容は何かといえば,やはり「ポイントの定義」に関することということになるのではないでしょうか。
 たとえば「1ポイント=~円として扱う」とか,「当サイト内でのみ有効」だとか,「当サイト内の各サービスを~円分使用につき1ポイント付与します」だ とか,「ポイントの有効期限は最後のポイント使用から~年間とします」などという条項は,ポイント制WEBサイトの規約には不可欠のものとしいうことができます。

ポイントに関する定義
主な例文
ポイントの換算
当サイトにおける「~ポイント」は,1ポイントを1円として換算するものとする。
ポイントの付与
弊社は,利用者が当サイト内各有料サービスを利用した場合,ポイント発行対象金額の10%に相当するポイントを同利用者に対して発行するものとします。
ポイントの利用範囲
「~ポイント」は,本サイト内でのみ有効なものとし,本サイト内において現金に代わる単位として使用できるものとします。
ポイントの有効期間
「~ポイント」の有効期間は,ポイントの利用者がポイントを消費した最終利用日より1年間とします。 弊社は,有効期間を経過した同利用者のポイントを無効とし,消滅させることができるものとします。

 ポイント制WEBサイトにとってポイントの定義はそのWEBサイトの「命」ともいうべき重要なものです。 この部分を曖昧にしてしまったり,たとえば他 の大手サイトの規約から流用してしまったりすると,そのポイントを使用することばかりか,そのWEBサイト自体が,自分にとっても,ポイント利用者にとってもリスクになってしまうことにもなりかねません。

ポイントの使用条件等についての定め

  ポイントの定義がきちんとなされた次に必要なのは,そのポイントをポイント利用者にどのように使用させるかについてです。
 たとえば,ポイントを消費してサイト内のサービスを利用する場合,ポイントの引き去りはどのタイミングで行うのか。 引き去りのタイミングによっては, そのサービスの利用を利用者が取り消すような場合,ポイントの復活についても考えなければならなくなります。 また,そもそもそのようなサービスの中途で のキャンセルを認めるのか,についても定めておく必要があるでしょう。

 ほかにも,

  • 有効期限が近づいたポイントや使用しなくなったポイントを現金やその他のポイントなどに換金・交換することを認めるのかについて
  • 換金・交換を認める場合はどのような形式での換金・交換を認めるのかについて。
  • 第三者へのポイントの転売・譲渡を認めるのかについて。
  • ポイントの合算(たとえば一人の利用者が複数のIDなどを保持し,それぞれに貯めたポイントを一本化したいというような場合)についてどのように対処するのか

などのようなポイントの使用方法について規約などで対処法を記載しておいたほうがよいでしょう。

  また,会員制WEBサイトやネットショップ,掲示板サイトなどでポイント制を導入しているWEBサイトにおいては,会員規約やネットショップに関する規約,掲示板利用規約等のポイントに関する規約以外の規約との連動,たとえば,会員規約違反をした会員についてその会員が保有していたポイントの剥奪も行 う,などの処置についても考えるべきではないでしょうか。

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