利用規約の作成のポイント~実践編~


フローチャートを作成する

 利用規約を作成する上でのポイント,実践編ということで,このページでは,当事務所で利用規約を作成する場合,またはリーガルチェックを行う際に必ず行っている手法をご紹介します。
 
といってももう答えはタイトルに出てしまっているのですが・・・。

 ネットショップを例としてあげると,購入者による申し込みから商品の配送の完了までをフローチャートにしてみる,というのが,その方法です。

ネットショップのフローチャート
購入者による売買契約の申し込み
販売条件・売買契約の成立
代金支払い
商品の配送
返品・返金,商品に欠陥があった場合
売買契約の解除
損害賠償

 ネットショップの取引に関するフローチャートはこんな感じでしょうか。

 次に,このフローチャートを元にどのようなリスクが考えられるか,書き込んでいきましょう。

ネットショップに潜むリスク
購入者による売買契約の申し込み
申し込み内容に欠如や虚偽があった場合の対応は?
海外からの申し込みに対する対応は?・・・・など
その他,申込をお断りするケースは?
販売条件・売買契約の成立
送料・手数料などの負担は?
売買契約はいつ成立する?
電子メールで通知を送った場合,相手に届かなかった場合は?
代金支払い
送料はいつ支払う?
入金がなかった場合の対応は「契約解除」?
何日間入金がなかったら上の対応をする?
商品の配送
発送はいつ行う?
海外への配送は?
購入者が入力した住所等に不備があった場合は?
発送した商品が戻ってきた場合の対応は?
・・・・など
返品・返金,商品に欠陥があった場合
返品・返金は認める?
クーリングオフは

商品に欠陥があった場合の対応は?
欠陥のあった商品を交換・返送・再配送する場合の費用負担は?
・・・・など
売買契約の解除
購入者による契約解除は認める?
認めるとすればどの段階まで?
(例:「商品発送後の解除は認めない」など)
「当社」からの解除事由は?・・・・など
損害賠償
購入者による損害賠償請求をされた場合の対応は?
・・・・など

 主なものをざっとあげてみただけでもこれくらいは出てきます。
 つまり,これらのリスクについての条文は最低限必要だということになります。

 ただ,規約にする場合にはこのフローチャートをベースとして,その他にたとえば「自己責任原則」,「期限利益喪失」,「個人情報利用」,「通知手段」なども定めていきます。
 このほかに,前のページで説明した,閲覧者などに対して提示する条文(合意管轄や保証否認など)も必要になるということになります。

 特に「通知手段」については迷惑メールフィルタやドメイン指定といった,購入者側のPCや携帯端末などの設定によって不達が起こりえます。 それに対する免責をどのように定めるかは大変重要な問題です。 通知手段については後のページで解説します。

フローチャートはサービスごとに異なるもの

 上では通常のネットショップを例にあげて,フローチャートの作り方,リスクのあぶり出し方法を説明しましたが,これが同じネットショップでもたとえばポイント制を導入するネットショップでは,できるフローチャートも異なってきます。

 ましてや,口コミ板や会員制サイトなど,分野が異なるサイトではできあがるフローチャートもまったく異なってくるはずです。

 フローチャートが異なるということは,当然浮き上がってくるリスクも異なってくる,ということになります。 よって,サイトごと,サービスごとに異なる利用規約が必要だということがここでも立証されたのではないかと思います。

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