掲示板・口コミサイト・SNSサイトなどの利用規約の特徴


参加者からの書き込みで成立するWEBサイト

 最近,掲示板サイトやクチコミサイトのようにインターネット利用者の書き込みによって成立するWEBサイトが増えてきているようです。 twitterやFacebook、Google+などのWEBサイトもこのグループに分類されるものです。

 これらのWEBサイトの最大の特徴は,利用者寄りの身近で有益な情報を利用者同士で提供しあい共有できる,という点にあるかと思います。 そのためには,利用者に多く書き込んでもらうために,書き込みがしやすい環境を提供しなければなりません。

 ただ,この「書き込みをしやすい環境」というのは,誹謗中傷やいたずら目的のこころない書き込みに対しても無防備になりやすく,そのような書き込みがなされた場合,WEBサイト自体が本来の目的を達成することを困難にしてしまう可能性もはらんでいます。
 
そのようなことを防ぐためには,悪意ある書き込みや,その書き込みに対して過剰な反応が現れた場合の運営者としての防御策を規約で定めておく必要があります。

SNSサイト,掲示板サイトでの禁止事項

 SNSサイトや掲示板サイトでは,会員制WEBサイトと同じように禁止事項を設ける必要があります。 もっとも,その禁止事項が書き込みに関することに集中することになります。

  禁止したほうがよい書き込みとして,「第三者を誹謗中傷するもの」,「著作権,名誉等を侵害するもの」,「法令に違反する可能性のあるもの」,「公序良俗 に違反すると思われるもの」,「選挙活動などの宣伝」,「営利を目的としたものまたはその準備を目的としたもの」,「運営を妨害するもの」などがあげられ るかと思います。

 また,これらの禁止事項のほかに,電話番号やFAX番号,メールアドレスや住所,クレジットカードの番号や有効期限などの個人情報に直結する情報を書き込むことも同時に禁止するべきです。 
 さらに,画像などをアップできる掲示板などでは,たとえば免許証やパスポート,住民票写しなどをそのままスキャンしてアップしたりすることも運営者側で 制限したり,利用者に注意を喚起するなどして自粛させるなどの対応をしておいたほうがWEBサイトの安全性を保つためには必要なことなのではないでしょうか。

 また,書き込みについては,上記の何らかの違反条項に違反しないものであっても管理者が困る内容のものが多くあります。
 たとえば改行だらけでやたらと真っ白な書き込みや悪趣味なアスキーアート,明らかに自作自演行為とわかるものや外国語ばかりのものなどがあげられます。

 それらについても「悪質な場合には~~しますよ」ということを言及しておいたほうがよいでしょう。

いわゆる「炎上」に対する規約上の防御策

悪意ある書き込みのWEBサイト運営者による削除

 いくら前述の禁止事項で他人への誹謗中傷 や著作権などを侵害する書き込みを禁止したとしても,書き込みがなされてしまった場合の運営者としての対処,そのような書き込みを行った者への処遇が規約で定められていなければ,その悪意ある書き込みに便乗して次から次へと悪意ある書き込みやそれを打ち消そうとする書き込みが連鎖していき,結果として「炎 上」という結果につながってしまうかもしれません。

 すべての書き込みには「著作権」が存在します。 それは禁止事項に違反した書き込みについても同じことです。 それを何の根拠もなく管理者が「勝手に」削除してしまった場合には書き込みを行った「著作権者」から文句を言われた場合には対抗できないことになります。

 では,運営者として,そのような悪意ある書き込みがなされてしまった場合に,どのような対応を規約で定めておけばよいでしょうか。
 もっとも有効で確実な手段はこのような条項を規約に盛り込むことです。

「禁止事項に違反した書き込みがなされた場合,弊社は,違反者に対して事前に通知することなくその違反書き込みを削除できるものとします。 また,違反書き込 み又は違反する恐れのある書き込みを発見した利用者は,弊社に対し,同違反書き込みの削除を要求することができます。」 

 運営者がたえずWEBサイト内を巡回し,悪意ある書き込みを自分で発見できるので あれば運営者が削除するという条文だけでもよいのですが,大きなサイトではそのような巡回は不可能ではないでしょうか。 ですから,利用者が気づいた場合 に,その利用者が通報することを可能にしておくことが大切です。

「炎上」対策としての運営者による「アクセス制限」

 たとえ規約の禁止事項に定めた悪意ある書き込みを削除できたとしても,それで「炎上」のリスクを取り去ったということにはなりません。
なぜなら,ブログや掲示板の「炎上」は,なにも誹謗中傷などの悪意ある書き込みだけが引き金で起こるものではなく,「どうしてこんな原因で?」と思うような書き込みなどが引き金になる可能性もあるからです。

 特に規約違反などをしていない書き込みが炎上の引き金になりうるということは,規約で炎上を未然に防ぐという手立てはないに等しいということです。
では,どのようにこの炎上に対応すればよいのでしょうか?

 ひとつの手段として,運営者による炎上が起こったページへのアクセス制限があげられるかと思います。 

「弊社は,利用者に適正,公正なサービスを提供するために,アクセスが過度に集中した掲示板等のページへのアクセスを弊社の判断で故意に制限することができるものとし,すべての利用者は,同アクセス制限に予め了承するものとします。」

  ひとつのページへのアクセスや書き込みが集中すると,サーバなどへの負荷がかかり,他のページを利用する利用者の快適なアクセスにまで影響を与える可能性 があります。 この条文のように,規約で「利用者への適正かつ公正なサービスの提供のために」という名目でのアクセス制限にすべての利用者が同意するもの と定めておくと,万が一「炎上」が起こった際にも対応できるかと思います。
また,運営者の判断で,炎上が起こったページを削除できるように定めておいてもよいかもしれません。

会員制を導入することでリスクを大幅に軽減できる

 はっきりいうと,上記の対応だけで迷惑な書き込みや炎上を抑えきることは困難です。 そこで,近年の多くの掲示板・口コミ板サイトがIDやパスワードでユーザーを管理する「会員制掲示板」という形態をとっています。

 この会員制の導入によって,違反する書き込みを激減させ,悪質な会員についてはサイトから追放するという2つの利点が生じます。

 掲示板サイトでの攻撃性のある書き込みや迷惑な書き込みはネット環境という「匿名性の高い環境」に起因することが大きいので,このように会員制にして「誰かに管理されているんだ」という状況にすることが,攻撃的な書き込みや炎上対策としてもっとも有効な解決方法なのかもしれません。

 

<<前ページ | 旧利用規約書き方講座記事一覧へ | 次ページ>>

このページの先頭へ